この記事では、一部で美容や健康にいいと言われているチョコレートの効果について、論文などを参考にしながら検証し、解説していきます。
疲れていても頑張らないといけないときってありますよね。
そんな時、頼りになるのはアイツです。
気品ある茶色いアイツ。
苦味と甘味のハーモニーを奏でるアイツ。
そう、チョコレート。
「高い中毒性」
「魔法のような口どけ」
「いろいろなバリエーション」
「期間限定品」
あの手この手でチョコレートは私を誘惑してきます。
どうしてこんなに美味しいのでしょうか。疲れたときに食べると最高に幸せな気持ち。
みなさんにとってチョコレートはどんな存在ですか?
この気持ち、共感してくれる人がいたらうれしいですね。
ただ、毎日チョコレートを食べてるとちょっと罪悪感が生まれるときも。
「こんなに食べて健康に悪いんじゃないかな?」
「毎日食べて贅沢しすぎ?」
そんな時はチョコレートのメリットを思い出して、チョコレートを食べることを正当化するようにしています。
みなさんはチョコレートのメリットをご存知でしょうか?
チョコレートには紫外線ダメージ軽減や心血管系に対する効果などのメリットが期待されています。
もちろんチョコレートは薬じゃないので、病気の予防や治療の代替にはなりません。
私はあくまでも「チョコレート食べてもいいよね」と自己暗示するためにチョコレートのデータを見ています。
チョコレートの種類によっては、糖質や脂質を取りすぎて不健康になってしまうので、食べ過ぎ注意です。
ちなみにチョコレートとは別にコーヒーの美容効果やコーヒーの健康への影響についても記事にしていますので参考にしてください。
ここからはチョコレートの健康に関する情報を見ていきましょう。
カカオポリフェノール
チョコレート原料のカカオ豆。
このカカオ豆に含まれるポリフェノール。
このカカオポリフェノール(フラバノール)が健康へのポイントになります。
一般的にポリフェノールには抗酸化活性があり、さまざまな病気の発症を遅らす働きがあることが知られています。
当然、高カカオのチョコレートはカカオポリフェノールを多く含んでいます。
逆にホワイトチョコレートやミルクチョコレートなどはカカオポリフェノールをあまり含んでいません。
ということで、「高カカオなダークチョコレートを食べれば健康を維持できるかも」と期待してしまいます。
ちょっと脱線しますが、
よくテレビとかにある科学的知見の拡大解釈。
例えば…
「ポリフェノールの血管拡張作用で血流改善。」
だから
「ポリフェノールが多いチョコレート= 血管拡張作用で血流改善」
このロジックには注意です!
チョコレートをだれが、どれくらいの量、どれだけの期間、食べた結果どれだけ良くなったかが大切です。
「ちょっとでも効果あったらラッキー」と思って楽しんで食べる分にはいいですが、
「健康にいいから、薬嫌いだからこれいっぱい食べよう!」とか絶対にダメです。
食品(サプリメント含め)に過剰な期待をしないようにした下さい。
食事はバランスが何より大切です!
話を戻しますと、
調べるべきことは「チョコレートを食べてもポリフェノールで知られている効果が得られるか?」ということです。
紫外線防御効果
高ポリフェノールのチョコレートやココアの飲食には、紫外線による肌ダメージを軽減する効果があるという報告があります。
カカオポリフェノールを豊富に含んだチョコレート(チョコレート20g中にフラバノール600mgを含有)を12週間毎日食べると日焼けのダメージが軽減される。カカオポリフェノールが少ないとその効果はない(健康成人の男女)。 ⇒SPF2.05程度の効果が期待。 Williams S, et al. J Cosmet Dermatol. 2009;8(3):169–173. カカオポリフェノールを豊富に含んだココア(ココア一杯18g中にフラバノール329mgを含有)を毎日食べると6週間で日焼けのダメージを15%軽減。12週で25%軽減。カカオポリフェノールが豊富なココアは肌のキメや保水力を改善に影響(健康な女性)。 Heinrich U, et al. Nutr. 2006;136(6):1565–1569. フラバノールを豊富に含んだココア4〜6グラムを一週間だけ摂取して日焼けダメージの軽減効果あり。 Calzavara-Pinton P, et al. Photochem Photobiol. 2019. チョコレート以外にポリフェノールが豊富な緑茶やワインも日焼けダメージ軽減の可能性。 Saric S, et al. Int J Mol Sci. 2016.
チョコレートによる紫外線ダメージの軽減効果は、カカオポリフェノールが豊富に含まれているチョコレートしか期待できません。
チョコレートを購入するときはポリフェノール含有量のチェックをしていきましょう。
一方で、紫外線防止の効果がなかったという報告もあるので過信は禁物です。
カカオポリフェノールが豊富なチョコレートを12週間摂取しても紫外線に対する皮膚のダメージは変わらない。 Mogollon JA, et al. Nutr J. 2014.
たとえチョコレートに日焼け防止効果があったとしても、その効果は補助的なものです。
チョコレートなどのポリフェノールは従来の日焼け止めの代替にはなり得なません。
これまでどおり塗るタイプの日焼け止めを使って紫外線のダメージから肌を守りましょう。
心血管系に対する効果
カカオポリフェノールを豊富に含んでいるピュアココアやダークチョコレートは健康にもいいと言われています。
実際どうなんでしょうか?
いくつか論文を見てみましょう。
26報のカカオポリフェノールに関する論文をまとめて評価した論文 ・効果 カカオポリフェノールは降圧作用、動脈硬化防止効果、抗炎症作用、その他さまざまな作用によって心臓保護効果を発揮。 ・問題点 ①ココア製品の種類、フラバノールの投与量がバラバラ。 ②被験者が少ない。 ③エビデンスレベルの低いが研究方法 ④その他さまざまな要因の問題点がある。 ・注意点 カカオポリフェノールは1日2,000mgまでは安全。鉄の吸収を妨げるので貧血の人は注意。 Aprotosoaie AC, et al. Diseases. 2016. カカオ製品の悪影響(高脂肪、砂糖含有)と心臓保護効果が得られるカカオポリフェノールの適正量が分かっていないので、健康目的での摂取は慎重に。 Matsumoto C. Curr Pharm Des. 2018.
要するに、カカオポリフェノールをたくさん摂取すればなんとなく心臓には良さそうですが、どれだけチョコレート食べたらいいかはっきりしていません。
むしろ脂肪とか糖質を考慮して食べないと有害になりかねません。
そしてこんな報告も。
フルーツと野菜、ベリー類、ダークチョコレート(ダークチョコレート50g)などのポリフェノールを多く含む食品の摂取量を8週間増やすと、高血圧の人の内皮依存性血管拡張が大幅に改善。これにより心血管リスクを改善する可能性あり。
Noad RL, et al. Heart. 2016.
この論文にあるように果物、野菜、ベリー、チョコレートなどをバランスよく食べることが大切だということが分かります。
まとめ
カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを定期的に食べることにより、紫外線防止効果や心血管系に対する効果が期待できます。
これらの効果は確立したものではないく、過大な期待をすることはできません。
バランスのとれた食事を心がけながら、チョコレートを楽しみましょう。
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