行列のできるお店やスーパーで品切れ続出の商品。
私はついつい行列をみつけると並んでしまうし、再入荷とか見ると買ってしまいます。
なんとかゲットして食べた結果、
「うま〜い!」
って場合もあれば、
「あれっ?」
ってときも。
インスタ映えや美味しくてブームになっている分にはいいんですけど・・・。
健康にいいからといってブームになるのはちょっといただけません。
過去にはココア、バナナ、納豆などなどいろいろなブームがありました。
スーパーでバイトしていた頃、TVで「◯◯が健康にいいです」と特集すると翌日には品切れ。
そんな経験を何度もしてきました。
フードファディズムという言葉をご存知でしょうか。
私は食事への過度な期待や忌避は問題だよなぁとなんとなく考えてはいましたが、フードファディズムという言葉はこの問題を勉強するまでは知りませんでした。
フードファディズムは世間にあまり浸透していない言葉だと個人的には感じていますが、どうでしょうか?
フードファディズムの問題を少しでも知っていただければと思い、この記事を書きましたので参考にしてください。
フードファディズム
ここからはフードファディズムについて考えていきましょう。
そもそもフードファディズムってなんでしょうか?
フードファディズムとは?
フードファディズムとは・・・
食品中の栄養素や食品そのものの健康への影響を過剰に評価すること、あるいは逆に、過剰に悪く評価することです。
TVを見ていると
「〇〇に入っている成分は健康にいいから、〇〇を食べましょう」
「△△は身体に悪い成分が入っているから食べるのを控えましょう」
と言った特集を目にします。
食品中の栄養素が健康にいいといっても、その食品そのものを食べて健康にいいかどうかは別。
逆もまた然り。
そもそもその栄養素も試験管レベルもしくは動物実験レベルのデータである場合が多いです。
その場合、はっきり言って人間への有効性は分かりません。
情報発信する場合、過剰に効果を評価した内容になっていないか注意しなければなりません。
フードファディズムの問題点
当然のことですが、「バランスよく食事すること」それ自体は健康や病気に大きく影響しています。
ですから食事療法や食生活の指導が有用になってきます。
しかしあたかも食品やその成分が有効であるかのような過大評価したり、間違った方向に誘導するような表現はフードファディズムになります。
フードファディズムの問題点はある特定の食品を過剰摂取して健康被害を生じたり、逆に必要以上に避けてしまって栄養不良となってしまうリスクです。
たとえば…
「ココアが健康にいい」と信じてココアと一緒に糖分取りすぎて血糖値上昇。
「納豆が身体にいい」と聞いて、毎日付属のタレをかけた納豆を食べて塩分過多に…。
「牛乳が有害」だと信じて乳製品を避けて体調不良。
そうなってしまってはもともこもありません。
どんな食品もバランスよく食べることが重要で、健康にいいからとバランスを崩してしまわないように心がけましょう。
フードファディズムに関しては専門家のレポートがいくつかあるので参考にしてください。
健康情報娯楽テレビ番組に起因したフードファディズム 高橋 久仁子.群馬大学教育学部紀要 芸術・技術・体育・生活科学編 2008 ; 43 : 175―183
乳製品をとりまくフードファディズムTakahashi K, Milk Science 2008 ; 57(3) : 135-138.
フードファディズムの実態
テレビ番組
フードファディズムは私たちの身近に蔓延っています。
テレビ番組では程度の差はあれ、毎日のように放送されています。
健康情報を扱う番組などは以前より改善されていると思いますが、それでも論文などの客観的データを都合よく解釈して番組内容と巧みに繋げている番組なども多いです。
こういった番組に悪意はなく、おそらく善意で正しいと思ったことを伝えようと制作されていることだと思います。
そのためフードファディズムだと気づきにくいですし、過信してしまう原因にもなります。
バラエティー番組でも有名人の方が「健康にいいから今ハマっている」ことなどを紹介して、流行になることもあります。
有名人の方の発信力はとても強いので、影響も大きいですが、本当に信用できる情報が冷静に判断できる能力が求められます。
SNS
最近ではSNSによって芸能人だけではなく、専門家や一般の方までが情報発信者となることができます。
情報発信の手軽さはメリットにもデメリットにも繋がります。
SNSで発信される情報はまさに玉石混交で、簡単に拡散されます。
玉石混交の情報がネットメディアに氾濫していて精査、評価する労力は相当なものになります。
医療や美容に関する情報はまさにその最前線で、正しい情報か判断するには高度な情報リテラシーが要求されます。
SNS上で発信されている医療、美容などの分野の情報には多くのフードファディズムが溢れています。
健康に関する情報リテラシー、「ヘルスリテラシー」がとても重要です。
「ヘルスリテラシーについて詳しく解説している記事」もありますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
SNSに限らずですが情報を精査する場合、まず情報元(一次資料といったりします)が何なのか確認しましょう。
「論文」「参考書」「企業データ」…などいろいろあります。
論文の種類によっても信頼性は違ってきますが、そもそも一次資料がない情報も溢れています。
それ以外にも人間のデータ、特に日本人のデータかどうかも重要になってきますが、動物のデータや試験管内(in vitroといわれてます)のデータだったりもします。
ただ、美容に関するヘルスリテラシーを身につけるのは、かなり難しいのではないかと思います。美容に関するケアについては、化粧品やサプリメントなどがメインのアイテムになってくるので、データやエビデンスが少ない分野になります。
化粧品やサプリメントを人に使ったデータなどは、医薬品のデータと比べると規模や試験の種類などにおいて、レベルの低くなってしまいます。命に関わる医療とそうではない分野なので、このこと自体は仕方がないというか、当然なことなのですが、こういったデータをもとに、効果やエビデンスを誇張した商品の宣伝などが氾濫していることには注意が必要です。
とりあえず情報はすぐに鵜呑みしたり、拡散したりしないで冷静に評価したり、周りの意見を参考にするなどして上手に付き合ってください。
美容に関しては「飲むセラミド」や「飲む日焼け止め」、「トラネキサム酸」についてそれぞれ、データをもとに私見を交えて評価した記事を書いているので、興味のある方はこちらもご覧ください。
美容のメインテーマでもある美白肌に関わる情報に関しては、かなり情報が氾濫していると思います。「そもそも美白肌って何?」「美白肌になるためのスキンケアってどういうもの?」「漢方は美白肌に効くの?」など美白肌について詳しく知りたい方は、「美白肌になるためのスキンケアについて」の記事もぜひご覧ください。
まとめ
フードファディズムとは食品中の栄養素や食品そのものの健康への影響を過剰に評価すること、あるいは逆に、過剰に悪く評価することです。
フードファディズムはテレビやインターネットなどのメディアを通じて日常に常に溢れています。
フードファディズムに惑わされることなく、バランスの取れた食事を意識していくことが大切です。
今回の記事でフードファディズムの問題点が少しでも多くの方々に伝わればと思います。
私のブログでもコーヒーの健康情報について記事を書いていますが、フードファディズムとならないように注意して適切な内容を意識しています。
どのような食べ物でも健康のためにと過剰摂取しないように気をつけながら楽しんで食事しましょう。
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