コーヒーの健康効果【スキンケアカウンセラー/薬剤師が解説】

コーヒーの健康効果【スキンケアカウンセラー/薬剤師が解説】

コーヒーはとてもポピュラーな飲み物で、お茶や紅茶よりも消費される嗜好飲料です。

日本では一人一週間あたり10杯以上飲まれるそうです。

逆にコーヒーの苦味や酸味が苦手で飲めない人も多いと思います。

私も苦手だったのですが、コーヒの入れ替えや豆の種類によっては美味しいと感じるようになって、今では欠かせないものになりました。

みなさんはどうでしょう、コーヒーはお好きですか?

私は仕事の休憩中や夕食後には決まってコーヒー。

家ではお酒は飲まないので、コーヒー飲む時間はリラックスできる大切な時間なのです。

まさに欠かすことのできない生活の一部。

ところでコーヒーは「健康にいい」と「健康に悪い」の論争なるものがあることをご存知でしょうか?Wierzejska R. Rocz Panstw Zakl Hig. 2015.

コーヒー毎日飲んでいる私としては、仮に「健康に良くない」ということになれば摂取を控えなかきゃいけない?

ということでちょっとコーヒーの健康への影響について考えてみたいと思います。

コーヒーの美容効果については別の記事がありますので参考にしてください。

コーヒーのメリット

コーヒーにはいろいろメリットがあると言われていますが、エビデンスはどうでしょう?

メリットとしてコーヒーのカフェインが眠気に効くということはよく知られていると思います。

ここでは短期的なメリットではなく、長期的に寿命や病気の予防としてのメリットがあるか見ていきます。

コーヒーは健康にいい?

海外の報告をいくつか。

・アメリカ
・男性22万9,119人、女性17万3,141人
・調査期間13年
・コーヒー摂取量とあらゆる原因による死亡、特に心臓病、呼吸器疾患、脳卒中、怪我と事故、糖尿病、感染症による死亡との有意な逆相関
・「1日に6杯以上」コーヒー摂取により死亡リスクが男性10%低下、女性15%低下
Neal D. Freedman, et al. N Engl J Med 2012 ; 366 : 1891-1904.
た
・イギリス
・男性22万7,115人、女性27万1,019人
・調査期間10年間
・コーヒー摂取量と全死因死亡が逆相関(6〜7杯/日まで)
・「1日8杯以上」でもコーヒーを全く飲まない人に比べて死亡するリスクが14%低下
・レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーだけでなく、カフェインレスコーヒーでも同様の効果。
Loftfield E, et al. JAMA Intern Med. 2018;178(8):1086-1097.

カフェインの有無に関係なくコーヒー飲むと健康に良さそう。

では日本人でも同じ?日本人のデータはあるのでしょうか?見てみましょう。

コーヒーは日本人にもいい?

日本人のデータ、意外とたくさんあります。

・31万3381人(男性14万4750人、女性16万8631人)
・17年間の追跡調査
・男女共にコーヒー摂取量と全死因死亡が逆相関(5杯/日未満まで)。
・男性では、心血管疾患、感染症、消化器疾患による死亡と逆相関。
・女性では、心臓病による死亡と逆相関。
・男女共に、がんはコーヒー摂取と相関なし。
Abe SK, et al. Prev Med. 2019.

・3万8679人(男性1万8858人、女性1万9821人)にアンケート調査
・約13年間の追跡調査 
・「1日に1杯以上」コーヒーを飲むと口腔、咽頭、食道がんを発症するリスクが低くなる。
Sugiyama K, et al. Am J Epidemiol. 2008 Dec 15 ; 168 (12): 1425-1432.

・8つの研究、32万人以上を解析
・男女ともにコーヒー摂取量と大腸がんリスクに相関なし
・女性ではコーヒー摂取により結腸がんのリスク低下
・女性の直腸がんはコーヒー摂取で増加傾向
Kashino I, et al. Int J Cancer. 2018 Jul 15 ; 143 (2) : 307-316.

・41万352人
・追跡期間14.1年
・コーヒー摂取量と全死因死亡は逆相関
・心血管疾患、感染者、消化器疾患による死亡も逆相関
・がんによる死亡に相関なし
Michiyo Y, et al. Public Health Nutr. 2019 May 20 

・9万914人
・調査期間18.7年
・コーヒー摂取量と全死因死亡が逆相関(3〜4杯/日まで)
Saito E, et al.  Am J Clin Nutr. 2015 May ; 101 (5) : 1029-37. 

・7万3346人(2つの研究の合わせて)
・宮城コホート研究17.6年、大崎コホート研究13.3年
・コーヒーの摂取量と膀胱がん罹患リスクが逆相関
Sugiyama K, et al.  Eur J Cancer Prev. 2017 Mar ; 26 (2) : 125-130. 

少なくとも1日5杯まではコーヒー飲んでも問題なさそうです。

むしろ健康にいいかも?

ただ、がんに関してはバラバラな印象。

こういったデータからコーヒーを飲むことにポジティブな気持ちにはなります。

ただこのデータを持って「健康にいいからコーヒーを飲んだ方がいい」ということまでは言えないので気をつけましょう。

コーヒーの有効成分

コーヒーが身体にいいかもしれないとして、それは何故?

カフェインはあまり関係なさそうなので、それ以外の要因?

一番有力な候補はコーヒーポリフェノール、クロロゲン酸です。

ポリフェノールには抗酸化作用や抗炎症作用、血圧降下作用などがあります。

ポリフェノールは「あまり体内に吸収されない」、「すぐ分解される」、「ポリフェノールの種類で吸収や分解は違う」ので、ポリフェノールを飲んだからといって期待した効果が得られるとはかぎりません。

特にコーヒーポリフェノールのデータはほとんどないので、実際のところよくわかりませんが可能性としては十分あることだと思います。

コーヒーのメリットは分かりましたが、デメリットはないのでしょうか?

コーヒーのデメリット

コーヒーに限らずどんなものでもデメリットは少なからずあります。

デメリットを正しく理解すれば過剰にリスクを恐れることもありません。

これはコーヒーに限らずどんな健康情報にも当てはまることです。

デメリットを正しく把握してコーヒーと上手に付き合っていきましょう。

カフェインのリスク

コーヒーなどに含まれるカフェインは医薬品としても使われる成分なので副作用も知られています。

コーヒーの主成分のカフェイン
コーヒー一杯(粉末2g)にカフェイン80mg

効果
・中枢神経を興奮させ精神機能亢進
・心臓の収縮力増強
・脳血管を収縮させ、脳血流減少
・利尿作用

過量摂取は禁物。

とくに大量摂取でふるえ、不整脈、脱力、めまい、不眠があらわれます。

さらに過剰摂取すると死亡のリスクが現れます。これには 公共財団法人日本中毒情報センターから注意喚起が出てます。

カフェインの摂取量には目安があります。

カフェイン摂取量の目安
成人:400mg(コーヒー5杯程度)
妊婦:200mg(コーヒー2〜3杯程度)
子供:3mg/kg
詳しくは農林水産省のホームページ参照してください。

妊婦さんはコーヒー飲んでいいの?

いろいろなところでカフェインは胎児の発育に影響を与える可能性があるので、「妊婦さんはカフェインを避けましょう」という情報が発信されています。

「コーヒー大好きなのに一杯もダメなの?」

「妊娠したらデカフェにしたほうがいいんだよね?」

最近ではデカフェのドリンクも種類がいっぱいあって選ぶのに迷うくらいですが、そこそこ高価な商品が多い印象もあります。

本当に妊婦さんはカフェインを避けた方がいいんでしょうか?

厳密には妊婦さんはカフェインの取りすぎに注意が必要ということです。

全くダメということではないので、正しく警戒してください。

妊婦のカフェイン摂取目安
国によって異なりますが、200~300mg/日以下を目安としている国が多い
WHO:コーヒーの最大摂取量マグカップ3~4杯

カフェインはコーヒー以外にお茶、紅茶、エナジードリンク、コーラなどにも入っているので注意が必要です。

カフェイン摂取の有無が妊娠転帰に及ぼす影響 ・妊娠20週未満の女性
・カフェイン入りコーヒーを3杯以上/日(カフェインは85~110mg/1杯)飲む群:568例(妊娠中期~後期にカフェインを平均182mg/日に減らす)とデカフェコーヒーを飲む群:629例
カフェインありコーヒーとデカフェコーヒーで出生児の体重に有意な影響なし。
Jahanfar S, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2015;6:CD006965.

・14の研究のまとめ(総数13万3,885例)
・350~699mg/日のカフェイン摂取で流産リスクが40%増加
・700mg/日以上では流産リスク72%増加
Chen LW, et al. Public Health Nutr. 2016;19:1233-1244.

コーヒーや紅茶をやめてストレスになるくらいなら、コーヒー2杯程度なら問題ないと思いますので、完全にやめたりしないで上手く付き合っていきましょう。

アクリルアミドの発ガン性

「アクリルアミドって?」

コーヒー焙煎中、コーヒーの代謝物は複雑なメイラード反応を起こし、その過程でアクリルアミドが生成されます。

このアクリルアミドには発がん性が知られています。Semla M, et al. Physiol Res. 2017.

ただし発がんリスクはそこまで高くないとも言われていますが、はっきりしたデータはありません。Dybing E, et al. Toxicol Sci. 2003.

一般社団法人全日本コーヒー協会がこの件に関してまとめています。http://coffee.ajca.or.jp/wp-content/uploads/2019/06/ajca_-acrylamide20190613.pdf

総合的にはそこまで発がん性に関しては心配ないのではないと思います。

コーヒーにもデメリットはありますが、個人的には許容できる範囲だと思いますので、飲み過ぎに気をつけて楽しみましょう。

まとめ

コーヒーにはメリット、デメリットがあります。正しく理解してコーヒーを楽しみましょう。

カフェイン過剰摂取によるリスクがあるのでコーヒーは1日5杯前後を目安に楽しんでください。

妊婦さんはデカフェが主流だと思いますが、コーヒーが好きで飲まないことがストレスになるくらいならコーヒー1日2、3杯まででしたら飲んでもいいと思います。

エナジードリンクなど他のカフェイン含有飲料を飲んだときはカフェインの総摂取量に注意してください。

コーヒーの長期摂取に関して はリスクよりもメリットの方が優位で健康にいい可能性があります。

ガンへの影響ははっきりしませんが、心血管疾患に関しては予防的効果が期待できるかもしれません。

ただし現段階のエビデンスからすれば、あえて健康のために無理してコーヒーを飲む必要はないと思います。

好きなコーヒーを飲んでて「寿命が延びたらラッキー」くらいの気持ちでいるくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

これからもコーヒーは嗜好品として健康的に楽しんでいきたいですね。

コーヒーの美容効果が気になる方はこちらの記事も参考にしてください。

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