薬剤師と学会
薬学部に進学したいと両親に相談したとき、「一生勉強しないといけないけど大丈夫?」と心配されました。
薬剤師になってからというもの、その言葉を日々実感しながら働いています。
まさに薬、医療は日進月歩なので日々情報をアップデートしていかないといけません。
書籍や論文などを情報源に勉強していますが、それ以外にもインターネットサイトやSNSなども重要な情報元となります。
ただし薬剤師が臨床現場で新しい情報を活用するためには、それらの情報が正しいか判断できないといけません。
一般の方が正しく医療情報を活用するためにはヘルスリテラシーが必要だと言われていますが、医療者でもヘルスリテラシーは重要です。
我々薬剤師はさまざまな情報を横断的に把握して、総合的に、より適切だと思われる評価や判断ができるヘルスリテラシーの高い薬剤師を目指すべきだと思っています。
ヘルスリテラシーについてはこちらのページを参考にしてください。
ヘルスリテラシーを高めるために重要なことの一つとして医療者同士の情報交換があります。
今ではSNSなどでも情報交換でき便利な世の中ですが、信頼性の高い情報交換をするために直接会うことも大切です。
そんなときに役立つツールが学会です。
学会というと医師や研究者がメインのイメージがあるかもしれませんが、薬剤師関連の学会というのもたくさんあります。
多くの薬剤師は何らかの学会に所属して、情報収集、情報交換したり、研究発表したりしています。
私の場合、日本医療薬学会、日本薬剤師会、日本臨床救急医学会などに所属しています。
学会では新しい知見の発表が見れるだけではなく、専門家同士で意見交換することができ、刺激を受けます。
学会では直接意見交換できるので実践的な相談や本音の会話などができ、とても参考になることが多いです。
できる限り毎年、学会に参加して情報のアップデートに励んでいます。
各学会それぞれ特徴がありますが、今回は日本医療薬学会について紹介します。
日本医療薬学会
日本医療薬学会の目的は、「病院、薬局、製薬企業、薬学教育機関、行政等に携わる個人を会員とし、医療薬学に関する学理及びその応用についての研究発表、知識の交換、会員相互及び内外の関連学会との連携協力等を行うことにより、医療薬学の進歩及び普及を図り、もって我が国の学術文化の発展と国民の福祉の向上に寄与する」とのことです。
医療薬学とは臨床現場で必要とされる学問で、医薬品の人体に及ぼす作用や治療のための医薬品の処方を理解するために必要です。
要するに医療現場で必要な知識や情報を発表したり、共有したりして国民の皆さんの健康に役立てることを目的とした学会です。
私はこの学会の専門薬剤師に認定してもらっています。
専門薬剤師
専門薬剤師制度の目的は、「医療薬学に関する高度な知識・技能を備え、かつ社会から信頼される薬剤師を養成し、認定者自らの臨床経験に基づいた教育・研究活動の実践を促進することで、医療薬学の進歩・普及と国 民の保健・医療・福祉に寄与することを目的とする」です。
専門薬剤師は専門知識と経験を活かして自ら医療に貢献するのはもちろんのこと、若手の薬剤師が高度な知識や技能を身につけられるようサポートすることが求められています。
専門薬剤師に認定されるには、たくさんの要件があります。
たとえば「5年以上の薬剤師としての実務経験」、「自ら実施した5年の患者アウトカムや医療の質向上に貢献した臨床実績10件」、「医療薬学に関する全国学会での発表、学術論文の業績」、「認定試験に合格」などほかにも多数の条件があります。
専門薬剤師の役割はいろいろです。
これまでに蓄積した知識や技術を患者さんに提供。
学会発表や論文執筆などを続けて、新しい情報を専門家向けに発信。
後輩や若手薬剤師の教育。
などなど、専門薬剤師に求められる役割はたくさんあります。
専門薬剤師として私が目指すところ。それはもちろん薬局に来てくださる患者さんにとって最適の医療を提供することです。
それ以外にも一般の方たちの健康にも貢献したいと思っています。
健康な方たちはなかなか薬局に足は向かないと思いますので、こうやってブログを通して情報発信することも大切な役割だと思っています。
専門薬剤師として責任ある情報発信を心がけていきます。
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