この記事ではヒルドイドで知られるヘパリン類似物質の保湿剤について解説し、さらにヘパリン類似物質が含まれる医薬品を厳選して紹介しています。
白い粉・・・。
いつの間に、そこに・・・。
気の緩みが招いた結果です。
乾燥期になってきたのに保湿を怠った気の緩み。
鏡を見ると鼻や口の周りが乾燥して、白い粉が剥がれてきてます。
そんなとき頼りになるのが保湿剤。
ドライスキンの人やドライスキンにすぐなってしまう人は保湿剤を使ったケアが欠かせません。
ドライスキンになると、肌のハリやツヤを失ってしまったり、テカリの原因など外見に影響が出てしまいます。もし美しい肌の条件や美しい肌になるための方法について興味がある方は、こちらの記事もぜひチェックしてみて下さい。
保湿剤にはいろいろな種類がありますが、ここではヘパリン類似物質について詳しく書いていきます。
まずはドライスキンについて少しだけ考えてみましょう。
ドライスキン
ドライスキンとは皮膚の最外層にある角層の水分量が減った状態です。
角層の水分は大気中の湿気や発汗などで供給されるので、特に冬の時期になるとドライスキンに傾きます。
ドライスキンは入浴などで角質に一時的に水分が供給されるとドライスキンは改善しますが、しばらくすれば水分は蒸発してドライスキンの状態に戻ってしまいます。
ドライスキンの原因の本質は、水分を角質に保持する能力が低下していることです。
この保湿能は皮脂、セラミドなどの角質細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)が担っています。
ドライスキンは見た目だけではなくさまざまな問題を引き起こします。
例えば皮膚バリア機能低下によりアレルゲンや微生物の侵入。さらにはかゆみ症状の誘発、そこから痒みと掻破の負のスパイラル。
しっかり保湿してドライスキンを是正していかいといけません。
ドライスキンケアはまず洗浄しすぎによる過度の脱脂が引き起こす角層破壊を避けつつ、エアコンや暖房などによる乾燥した環境を変えていくことが大切です。
そのうえで適切に保湿剤でスキンケアしていきます。
ドライスキンのケアについてはこちらの記事を参考にしてください。
保湿剤
保湿剤にはエモリエントとモイスチャライザーがあります。
モイスチャライザーはNMFなど水分を保持する作用のヒューメクタントが含まれ、減少したNMFを補って保湿作用を発揮します。
今回はモイスチャライザーのヘパリン類似物質を紹介していきます。
ヘパリン類似物質
ヘパリン類似物質をご存知でしょうか。
「知ってるー。ヒルドイドのことだよね」
そうです、医療業界だけでなく美容業界で有名になってきたのでご存知の方も多いと思います。
ヘパリン類似物質は以前より、保険がきく保湿剤として美容目的のヒルドイド使用が問題となり、今でもヒルドイドの適正使用が求められています。
その一方でアトピー性皮膚炎患者さんや、がん治療の患者さんのようにヒルドイドなどの保湿が必要な方たちが多くいます。
そういった方たちへの保湿剤の処方が制限されないように、適正使用の推進をしていかなければいけないと思っています。
作用機序
ヘパリン類似物質は以下に書いたような作用機序があります。
- 血液凝固抑制作用
- 血流量増加作用
- 血腫消退促進作用
- 角質水分保持増強作用
- 線維芽細胞増殖抑制作用
「漢字ばかりで分かりにくい…」
簡単に言ってしまえば血液の流れを良くしていろいろな効果がでます。
もともとは表在性静脈炎、血栓症、ケロイド形成の改善の治療目的でドイツで発売されました。
その後、角質水分保持増強作用があることが分かりドライスキンに対する保湿剤としても使われるようになりました。
ヘパリン類似物質は持続性の高い保湿効果があるので、多くの医療機関で使用されています。
使い分け
ヘパリン類似物質含有製剤は商品によってさまざまな基材が使われているので、商品の特徴に合わせた使い方ができます。
季節による使い分け
水中油型(O/W型)クリームは被覆性・使用感のバランスが取れているので年中使いやすいです。
油分の多い油中水型(W/O型)クリームは秋から冬の乾燥期にうってつけ。
使用感の良いフォームやローションは夏の時期にピッタリです。
外気の温度や湿度に合わせて使い分けるとより良いと思います。
塗布部位による使い分け
顔面はO/W型クリームや化粧水、乳液タイプのローション。
頭皮や塗布範囲が広い部位は展延性に優れたフォームやローションが。
手や腕、ひざや踵など被覆性が求められる部位は、W/O型クリームやO/W型クリームが適しています。
分類
ヘパリン類似物質含有製剤には医療用医薬品(処方薬)、一般用医薬品等(OTC医薬品)、医薬部外品があります。
それぞれに特徴について確認していきましょう。
処方薬
処方薬は病院に受診して医師から発行された処方せんをもとに使用される医薬品です。
処方薬は医療保険により自己負担の割合が減るので経済的に助かります。
当然、処方薬は保険適応以外の目的では処方できないので、美容目的では使用できません。
ドライスキンの治療目的、あるいはアトピー性皮膚炎患者さんの方たちなどがドライスキン予防目的ために、皮膚科を受診することで処方されます。
もちろん処方薬は薬ですから処方医の指示に従った使用を心がけてください。
商品名:ヒルドイド(先発品)、ビーソフテン(ジェネリック医薬品)、その他ジェネリック医薬品
適応症:皮脂欠乏症など
ドライスキンの適応が唯一あるヘパリン類似物質含有製剤は、保湿効果が高くエビデンスもたくさんあります。
剤形もW/O型クリーム、O/W型クリーム、ローション、水性フォーム剤などいろいろあり使い勝手がいいです。
また先発品のヒルドイドとジェネリックでは、使用感や保湿効果も違ったりしますので、医師と相談しながら商品や剤形を選ぶといいと思います。
基本的に安全性は高く、顔も含めて全身に使うことができる保湿剤です。
ただし眼や潰瘍、びらんなどの場所にはならないようにしてください。
まれに皮膚に発赤や紅潮が現れることがありますので、そういった場合は使用をやめましょう。
また肌の状態によっては顔は塗らないでと言われる医師もいますので、医師の指示はしっかり守ってください。
アトピー性皮膚炎やドライスキンの方は受診ししっかり治療して健康な肌の維持を目指してください。
OTC医薬品
OTC(Over The Counter)医薬品は薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品です。
医療保険財政が圧迫されている現在。
子供たちの未来を考えるとできる限り医療負担の軽減も考えたいですよね。
財政圧迫の原因は複雑なので簡単に解決できるものではないですが、小さなことからコツコツと。
たとえば、定期受診を必要としない安定したドライスキンの方などは医師と相談してOTC医薬品の活用も検討してください。
これからは、自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」の時代。
OTC医薬品を上手に使いましょう。
注意として、症状が改善しないときや悪化するときは早めに病院を受診してください。
医薬部外品
医薬部外品は医薬品と化粧品の中間に相当するもの。
医薬品に認められている成分が含まれていますが、成分の量が少なく効果が穏やかで治療ではなく、予防目的などで使われます。
ヘパリン類似物質に関しては、含有量が少ないことで求める保湿効果が得られるかどうかはっきりしません。
逆に含有量が少なくても接触性皮膚炎のリスクはあることも理解しておかなければなりません。
そもそもヘパリン類似物質の含有量が分からないので評価すらできません。
できることなら医薬品の選択をお勧めします。
それでもヘパリン類似物質の医薬品ではなく、医薬部外品を選びたいと方は、セラミドなどが含有されている化粧品を選ぶことをお勧めしめす。
ヘパリン類似物質には処方薬、OTC医薬品、医薬部外品それぞれいろいろな剤形があります。
ここからはそれぞれの剤形ごとに製品の特徴を見ていきましょう。
ヘパリン類似物質含有製剤の剤形と特徴
ヘパリン類似物質にはクリーム、油性クリーム、ローション、スプレーなど様々な種類の剤形があります。
それだけではなく同じ剤形でも使用感が違うことも多いので、肌の状態や季節に合わせていろいろな商品を使い分ける必要があります。
クリーム:O/W型
O/W型クリームは、被覆性・使用感のバランスが取れており、季節を選ばす一年中使うことができます。
O/W型クリームが適している塗布部位は顔だけでなく、被覆性が求められる手や腕、ひざや踵などです。
ヒルドイドクリーム(処方薬)
クリームタイプで伸びも良くベタつかないので、年中使える。
水がつくとでクリームが浮いてくることがあるのが難点。
水仕事をよくする人の手や汗をかく夏場の顔などは不向き。
ビーソフテンクリーム(処方薬)
ヒルドイドのジェネリック
ヒルドイドより使用感はいい気がするし、水に濡らしても浮いてこない。
ピアソンHPクリーム(OTC医薬品)
ビーソフテンクリームと組成が似ています。
ピアソンHPは日医工が製造していますが、処方薬のビーソフテンも元は日医工が製造していたので(今は帝國製薬)、似ていて当たり前。
ビーソフテンを使っていた方がOTCに移行する場合はピアソンHPへの変更をお勧めします。
HPクリーム(OTC医薬品)
基剤のベースがヒルドイドともビーソフテンとも異なるオリジナル。
使用感が気に入ればこれでもいいと思います。
わずかですがアルコールが使用されているので注意してください。
ヘパリッチ
NALC 薬用ヘパリンハンドクリーム
ヒルドプレミアム
ヒルセリン
ウルンラップ
(医薬部外品)
これらは全てOEM会社のコスモビューティーが製造元で成分も一緒。
使用したことはないですし、各成分の配合量までははっきりわからないですが、同じ組成かつ同じ工場なのでおそらく同じ物だと思います。
もし買うなら1番安い商品で良いと思います。
ヘパリン類似物質以外に抗炎症作用のグリチルリチンジカリウムも配合されているので日常使いには不向き。
グリチルリチン酸ジカリウムについてはこちらを参考にしてください。
メディベビー薬用モイストクリーム(医薬部外品)
基材、添加剤はヘパリッチなどとほぼ同じ。
ヒアルロン酸が配合されているので保湿力はこちらの方が高いかもしれないですが、成分量が分からないのでなんとも言えません。
成分表に後ろの方にヒアルロン酸が記載されていることを考えれば、あまりヒアルロン酸の効果は期待できないかもしれません。
パラベンフリーなので、殺菌効果が劣るため菌増殖による皮膚刺激のリスクあるので注意。
これもヘパリン類似物質以外に抗炎症作用のグリチルリチンジカリウムも配合されているので日常使いには不向き。
赤ちゃん用商品となっていますが、赤ちゃんの保湿剤は出来るだけ単純な製品がいいので、赤ちゃんへの積極的な使用はおすすめしません。
アドライズ アクティブクリーム(医薬部外品)
美白成分としてプラセンタ配合。
それ以外にも保湿成分として保湿効果の高い天然セラミドが配合されています。
「プラセンタってなに?聞いたことはあるけど…」
プラセンタは哺乳類の胎盤由来の抽出エキスで、アミノ酸やタンパク質・脂質・糖質などはもちろん、生理活性成分であるビタミン・ミネラル・核酸・酵素などが含まれています。
プラセンタは注射薬として、更年期障害や乳汁分泌異常、慢性肝機能疾患に保険適応があります。
また美容効果などいろいろな目的で注射されていますが、エビデンスがないので自費診療となっています。
実際に効果があるかどうかははっきりしていない物質です。
さらには内服のサプリメントや今回のような塗り薬や化粧品などにも美白目的で使われています。
美容効果についてはプラセンタの注射薬でさえはっきりしたエビデンスはないので、サプリメントや化粧品のプラセンタの美容効果については分かっていません。
むしろプラセンタにはいろいろな栄養素が含まれる分、接触性皮膚炎のリスクは高くなりますし、菌も増殖しやすくなるので注意が必要です。
それでも保湿効果は高いのでぜひ試してみてください。
油性クリーム:W/O型
W/O型クリームは油分が多いので、秋から冬の乾燥期に適しています。
外気の湿度やドライスキンの程度、肌の部位に合わせてO/W型クリームと使い分けるといいと思います。
W/O型クリームが適している塗布部位は被覆性が求められる手や腕、ひざや踵などですが、顔にも使えます。
顔に塗るにはベタつきを感じるかもしれませんが、しっかり定着するので何度も塗り直さなくていいです。
顔でも特に乾燥を感じる部分にピンポイントで使うこともオススメです。
ヒルドイドソフト軟膏(処方薬)
先発品。
ベタつきはあるけどそこまで気になりません。
ニオイも特に気にならないと思います。
ヘパリン類似物質油脂性クリーム「日医工」(処方薬)
ヒルドイドのジェネリック。
基材のベースはヒルドイドほとんど同じ内容です。
ヒルドイドに含まれているサラシミツロウは入っていません。
使用感も気になりませんが、個人的にはヒルドイドの方がいいかも?
ヒフメイド(OTC医薬品)
ヒルドイドのOTC。
基材のベースはヒルドイドとほとんど一緒で配分と添加剤が違う。
ヒルドイドの代わりとしては問題なし。
ヒルメナイド(OTC医薬品)
ヒルメナイドはヒフメイドと同じジャパンメディックが製造元で成分も一緒。
マツモトキヨシがOEM会社のジャパンメディクに製造を依頼して販売しているので、ヒフメイドと同じものと考えていいでしょう。
ヘパソフトプラス(OTC医薬品)
他のヘパリン類似物質含有製品とは用途が大きく異なる商品。
ヘパリン類似物質以外に、乾燥肌修復成分のパンテノール、かゆみ止めのクロタミトンとジフェンヒドラミンが配合されています。
かきむしりたくなるようなドライスキンに有用です。
痒み以外特に皮膚症状のない疾患を皮膚掻痒症といいますが、ドライスキンが原因となることが多いです。
皮膚の痒みはれっきとした疾患になりますので、皮膚科を受診して適切な指導、治療を受けることが肝心です。
OTC医薬品で痒みの対処すればいいとなれば、この商品は重宝する商品となります。
ローション
ローションは汗をかきやすい夏の使用に適しています。
頭皮や子供の全身など塗布範囲が広い場合はローションタイプの得意分野。ひどい乾燥でなければローションで十分対応できます。
同じローションでも商品によって化粧水に近いものと乳液に近いものとあるので、季節や部位で使い分けるといいと思います。
ヒルドイドローション(処方薬)
先発品。
乳液タイプなのでしっとり保湿。
伸びがよく、化粧水タイプよりしっとりした使用感で、顔にも使えます。
季節によって化粧水タイプと使い分けてもいいと思います。
ビーソフテンローション(処方薬)
ヒルドイドのジェネリック医薬品。
乳液タイプのヒルドイドのジェネリックですが、化粧水タイプなので使用感が異なります。
市販の化粧水で顔がヒリヒリしてしまうような敏感肌の方は、化粧水として使っていいと思います。
ヘパリン類似物質外用スプレー「日医工」(処方薬)
名前は違いますが、ビーソフテンのスプレータイプ。
スプレータイプなので塗布範囲が広い場合や持ち運びに便利で使い勝手がいいです。
ヒフメイド乳液(OTC医薬品)
ヒルドイドローションのOTC医薬品。
成分は違いますが同じ乳液タイプ。
化粧水より保湿感が欲しい方こちらを。
商品に興味がある方は製品のホームページを確認してください。
ミナハダ ヘパリン類似物質 乳状液 「JM」(OTC医薬品)
乳液タイプのローション。
販売元はミナカラ薬局ですが、製造元はヒフメイド乳液と同じジャパンメディカルで成分も全く同じです。
ヒフメイド乳液はAmazonなどで買うことができませんが、こちらの商品は買えます。
ヒルメナイドローション(OTC医薬品)
販売元はマツモトキヨシですが、こちらも製造元はヒフメイド乳液と同じジャパンメディカルで成分も全く同じです。
ピアソンHPローション(OTC医薬品)
化粧水タイプのローション。
ピアソンHPローションはビーソフテンの過去の製造元だった日医工が製造しています。
ピアソンHPクリームと違い、成分はビーソフテンとは異なる成分で作られています。
化粧水タイプは後述のHPローションと2種類になります。使用感がいいと思う方を使うといいと思います。
HPローション(OTC医薬品)
HPクリームと違ってアルコールフリーです。
処方薬のビーソフテンとほぼ同じ成分。
治療でビーソフテンを使ってた方で同じような使用感を求めているならこれがオススメです。
マーカムHPローション(OTC医薬品)
この商品はピアソンHPローションと名前は違いますが、製造元、成分が同じ商品。
さいき(OTC医薬品)
乳液タイプの医薬品です。
ヘパリン類似物質以外にも薬効成分が・・・。
グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインの2種類の成分が含まれています。
グリチルリチン酸は抗炎症作用。
アラントインは肉芽形成促進、壊死組織除去、白血球増加などの作用があります。
これらに強い副作用はないので安心して使うことはできますが、グリチルリチン酸、アラントインには皮膚刺激や過敏反応のリスクがあります。
そういったことをふまえると、ドライスキンの予防目的で使うのではなく赤みやヒリヒリが出てきたときの一次的な使用になりますが、こういった場合は皮膚科受診が理想だと思います。
ヘパリペア(OTC医薬品)
ヘパリン類似物質とビタミンA配合。
ボディーローションとして販売しています。
ビタミンAは皮膚のターンオーバーを期待して配合されていて、処方薬のザーネ軟膏と同じ濃度です。
処方薬のザーネ軟膏は表皮のケラチン(角質細胞の主成分)形成抑制作用により乾燥防止作用があります。
ヘパリペアは乾皮症や角化症でガサガサ・ゴワゴワに荒れてしまった肌の治療には適した薬です。
普段のドライスキン予防には使いづらく、顔の保湿にも不適ですので注意してください。
さらにアルコールが多めに配合されているので、積極的な使用はお勧めしません。
アドライズ アクティブローション
アドライザ アクティブローション/ディープモイスト(医薬部外品)
プラセンタとセラミド配合の化粧水タイプのローション。
セラミドはウマスフィンゴ脂質と呼ばれる馬から抽出される動物性の天然セラミドです。
プラセンタについては前述しているので割愛します。
ディープモイストの方はサラッと感を減らし、とろみを増した製品。
タイプについてはお好みの使用感で選べば良いと思います。
どちらも保湿効果は高いです。
メディベビー薬用ミルクジェル(医薬部外品)
乳液タイプのローション。
パラベンフリーなので、殺菌効果が劣るため菌増殖による皮膚刺激のリスクあるので注意。
ヘパリン類似物質以外に抗炎症作用のグリチルリチンジカリウムも配合されているので日常使いには不向き。
ポンプ式なのでデバイスは使いやすいです。
ヘパソフト薬用 顔ローション(医薬部外品)
乳液タイプのローション。
グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインの2種類の成分が含まれています。
さいきの医薬部外品バージョンといったイメージ。
保湿能や抗炎症作用はさいきの方が強いです。
グリチルリチン酸のようなものは適切な量をしっかり使って短期間でやめた方がいいので、どちらかといえばOTC医薬品のさいきをおすすめします。
どちらにしても日常使いには不向きだと思います。
泡状フォームタイプ
ヒルドイドフォーム(処方薬)
先発品。
ヒルドイドフォームは展延性に優れているので塗布範囲が広い場所に適しています。
使用感がいいタイプなので汗をかきやすい夏場の使用に向いています。
ヘパリン類似物質外用泡状スプレー(処方薬)
日東、日医工などのジェネリックメーカーが販売。
各社で使用感は多少違いますが、使い勝手は同じです。
処方薬以外ではこのデバイスはないので、ドライスキンで治療中の全身などに処方してもらえると思います。
特に子どもの体を塗るときは重宝します。
ヘパリン類似物質の注意点
刺激性
ヘパリン類似物質は粘膜に付着すると刺激を感じる場合があります。
顔に塗るときには唇、目、鼻の中に触れないように気をつけましょう。
傷口が開いた部分に塗ると、刺激や症状悪化のリスクがあるので注意してください。
もし粘膜や傷に誤って付着させてしまった場合は、すぐに洗い流しましょう。
血液凝固抑制
ヘパリンは医療現場で血液凝固抑制作用による血栓溶解や予防目的などで点滴されています。
ヘパリン類似物質も同様に血液凝固抑制作用があるので出血を助長する可能性がわずかですがあります。
出血性血液疾患や僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される方などは使わないようにしなければなりません。
とはいえ基本的にはとても安全な薬ですので、安心して使ってください。
過敏反応
敏感肌の人ではまれに皮膚が赤くなったり、刺激を感じたり、痒みが出ることもあります。
皮膚の状態が悪化する場合は、すぐに使用をやめて皮膚科などの医療機関を受診してください。
まとめ
ヘパリン類似物質はアトピー性皮膚炎やドライスキンの治療として医療機関で頻繁に処方される保湿剤で、子供から大人まで幅広く安全に使われています。
一方で処方薬は保険がきくので、安く手に入る保湿剤として美容目的で使われていたことが問題とされていました。
アトピー性皮膚炎や抗がん剤治療による皮膚炎の方たちが保険診療の範囲内で保湿剤が処方される環境を残すためにも、ヘパリン類似物質の美容目的の処方は是正されなければいけません。
ヘパリン類似物質にはOTC医薬品や医薬部外品の商品もあるのでこういったものも有効に使っていきましょう。
特にOTC医薬品の商品は処方薬と遜色のない効果や使用感がありますので、ぜひ使ってみてください。
OTC医薬品には添付文書という説明書がついているので、使い方や注意点をしっかり守っていただければ安全に使うことができます。
ヘパリン類似物質は基材の種類によっていろいろな特性を持つ商品があります。
保湿する部位や季節などに合った商品を選んで有効活用していきましょう。
以上、ヘパリン類似物質含有の商品について解説してきました。
ドライスキンには保湿が大切です。
保湿の大切さについてはこちらの記事に詳しく書いていますので参考にしてください。
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